特定非営利活動法人大田まちづくり芸術支援協会

 

      

2025年度定例総会開催を 6月18日(水)に開催しました
 

asca総会に際しての理事長あいさつ

 本年もasca総会にご参集いただきありがとうございます。1992年にまちと芸術の出会いを支えていこうとこの活動を立ち上げて33年になります。この間の地道な取り組みの継続で、私たちのまち大田区では地域メセナのascaとしてひろく市民のみなさんに名前を知っていただける存在となることができました。総会は、こうしたascaの活動を担ってくださっている方々と一堂に会して一年の総括を行い次のステップへの展望を語り合う大変貴重な場であります。ここで語り合うなかから新しいアイデアや意表を突くアートの仕掛けが生み出されることを期待しています。

 さて、数年続いたコロナ禍は地域の様々な場面に影響を及ぼし活動の中断や継続が困難になったものもありました。苦肉の策としてのオンライン・イベントの開催も、新しい可能性を開いた意義もありましたが、やはり「いま・ここ」の芸術を伝えるには限界があることも知りました。そうした困難な時期をようやく抜け出して地域メセナも再起動のときを迎えることができたように思うところです。創立以来のメンバーでお互い歳だねと嘆きあうばかりだったこの頃でしたが、若い理事の登場、そして新企画のスタートとascaも新しい風が吹き始めました。10月から始まった「ascaサロンコンサート」では、一流の演奏家と地域をつなぐ格好の場が形成されつつあります。すぐれた演奏活動を支えるのはその音楽の受け手である聴衆の存在、小規模な演奏会場での演奏家と聴衆の濃密な出会いが音楽を深めていく秘訣だと実感させてくれます。会場であるフォルティーノ多目的ホールの響きの良さも大きな力になっているとうれしく思う次第です。「春宵の響」で大活躍の福原徹さんと中川俊郎さんの演奏を再びascaで聞くことができたのも大きな喜びでした。これからもascaサロンコンサートが育っていくことを期待しています。 
 ふり返ってみると、ascaの活動は地域の中に眠っている可能性を、アートの力で目に見えるものへと形を与え、「そうだ!」の思いを地域で共有することだったように思います。地域創造のアートイベントを立ち上げ、可能性を見極めて継続への仕組みを地域に作り出していく。そのプロセスと、それを成り立たせる人のつながりこそが地域メセナ活動であると考えます。「春宵の響」がいまでは洗足池風致協会や大田観光協会、大田区文化振興協会の力で発展していること、また多摩川アートラインプロジェクトで地域こそが現代アートの場だと実証したことは「逆川おいしい道計画」に引き継がれています。ascaの力、それは可能性の発見とそれを目に見える形に作り出していく楽しさ、そこで出会う人とのつながりだと改めて感じます。2025年も「楽しみ」がいっぱい待っています。わたしたちのまち大田の豊かな未来への歩みをご一緒しましょう。皆さまの一層のご活躍をご期待申し上げます。

特定非営利活動法人大田まちづくり芸術支援協会理事長 田中常雅 

 

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